AM放送の仕組み
2016/01/31
皆さん御存知のとおり、ラジオ放送にはAM放送とFM放送があります。(今時はラジオを聴く人も少なくなりました。もしかしたら今の小学生には伝わらないかも!?) 今回はそのうちのAM放送の仕組みについて見ていきましょう!
AM放送とは?
波動の基本用語
AM放送のAMとはAmplitude modulationの略で、「振幅変調(しんぷくへんちょう)」のことを指します。振幅とは波動の振れ幅のちょうど半分のことを指します。
下の図をご覧ください。
この図のような規則正しい、ぐねぐねした波形のことを「正弦波」と呼びます。 振幅とは、波の振動中心からピークまでの大きさのことを言います。
また、周期とはその名前の通り、波の繰り返しに何秒かかるかを表したもので、1秒を周期で割ると、1秒間の繰り返し回数、すなわち周波数を求めることが出来ます。
(1[秒]÷周期[秒]=1秒間の繰り返し回数[回] = 周波数[Hz])
音声信号をAM信号に変える
AM放送局では、音声信号を電気信号に変え、さらに電気信号を振幅変調という方法で電波に乗せて、放送を行っています。
しかし、「振幅変調」とはどのようなものなのでしょうか?この節ではこのことについて説明していきましょう。
振幅変調を行うシステムは、(ごく簡単なものでは)下図のようなブロック図で表されます。(図中の波形は、各ブロックの出力の形を表しています。)
これだけでは何が何やらわからないと思うので、各ブロックごとに説明していきましょう。
まず、人がマイクに向かって言葉を発すると、音声(=空気の振動)は電気信号(=電気の振動)に変換されます。ここでは、音声信号が下の図のようなものだとしましょう。
そして、キャリア発振器というのは、キャリア(=搬送波ともいう)と呼ばれる一定の周波数の正弦波を作る部分になります。(いわゆるAM放送の「周波数」というのは、このキャリアの周波数のことをいいます。)したがって、キャリア発振器が生成するのは、下図のようなきれいな正弦波となります。
最後に変調器です。
キャリアに信号を乗せることを「変調」と呼びますが、振幅変調では「振幅」が信号を表すようにキャリアを変化させるので、「振幅変調」と言うわけです。
上記の音声信号で、キャリアに振幅変調をかけると、次の図のようになります。
振幅変調の波形がどのようになるか理解できましたでしょうか?
つまり、AMラジオでは、受信した電波から下図のように振幅の変化部分を取り出してやれば音声を復元することが出来るということになります。
(先述の音声信号の形と、赤線の形は完全に一致しています。)
さて、ではどのようにこの音声信号を受信波形から取り出すかですが…これは「AM放送」ではなく「AMラジオ」の話しになってしまうので、明日に回すことにしましょう。
それでは今日はこのあたりで失礼させていただきます。 質問・指摘などございましたら、お気軽にコメント欄にどうぞ。